介護サービス事業者となるには

介護サービス事業を行うには、介護保険法の介護サービス事業者として指定を受ける必要があります。指定事業者、つまり指定居宅介護支援事業者・指定居宅サービス(介護予防サービス)事業者・介護保険施設は、それぞれに厚生労働省令で定める「人員、設備及び運営基準」に則して事業を行うこととされています。
この「人員、設備及び運営基準」は、要介護者等の心身の状況等に応じて、適切なサービスを提供するために必要な最低基準を定めたものです。従って、事業者は常に基準以上の運営を行うよう向上に努めなければなりません。基準を満たさない場合、指定を受けられません。はじめようとする事業が、居宅介護支援事業、居宅サービス事業、介護予防サービス事業、介護保険施設サービスの場合は、都道府県へ申請し、地域密着型サービス事業、地域密着型介護予防サービス事業の場合は、市町村へ申請しなければなりません。

介護事業者指定申請の流れ

1.指定の要件(基準)を確認する
指定事業者になるためには、指定基準を満たす必要があります。また、定款には介護保険事業の実施することについての記載が必要です。既に法人格を有している場合でも、新たに介護保険事業を始める場合は、定款の記載の変更手続きが必要となる場合がありますのでご注意ください。

2.申請書類を準備する
指定申請のための書類は、定められた様式により作成してください。また、添付書類も各都道府県(市区町村)によって異なりますので確認が必要です。事業者の指定は事業所ごと・サービスの種類ごとに行われることになるので、指定申請書は事業所ごと・サービスの種類ごとに提出しなければなりません。同じ事業所が、複数のサービスをまとめて申請することも可能ですが、その場合でも、サービスごとに付表と添付書類を付けて申請します。
3.申請の予約~申請書類の準備ができたら
申請の受付は、基本的に完全予約制です。
4.受理・審査
申請書は必ずしも1回で受理できるとは限りません。書類及び要件に不備が無い場合は受理されます。申請書が受理されると具体的な審査が行われます。なお、審査は事業所ごと、サービス種別ごとに行い、申請書及び添付書類等の書類審査が中心になります。
5.指定
指定日は毎月1日です。基準を満たしている場合は、指定通知書が発行されます。その際、介護報酬請求に必要な事業者番号が付与されます。
6.公示
公示後にサービス開始となります。
介護保険法に基づく各種サービスの指定を受けるにあたっての、定款への事業の記載について
介護保険法に基づく居宅サービス事業[第8条1項]
該当するサービス
訪問介護
訪問入浴介護
訪問看護
訪問リハビリテーション
居宅療養管理指導
通所介護
通所リハビリテーション
短期入所生活介護
短期入所療養介護
特定施設入居者生活介護
福祉用具貸与
特定福祉用具販売
介護保険法に基づく地域密着型サービス事業[第8条第14項]
該当するサービス
夜間対応型訪問介護
認知症対応型通所介護
認知症対応型共同生活介護
小規模多機能型居宅介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
介護保険法に基づく居宅介護支援事業[第8条第21項]
該当するサービス
居宅介護支援
介護保険法に基づく施設サービス事業[第8条第23項]
該当するサービス
介護老人福祉施設サービス
介護老人保健施設
指定介護療養型医療施設
介護保険法に基づく介護予防サービス事業[第8条の2第1項]
該当するサービス
介護予防訪問介護
介護予防訪問入浴介護
介護予防訪問看護
介護予防訪問リハビリテーション
介護予防居宅療養管理指導
介護予防通所介護
介護予防通所リハビリテーション
介護予防短期入所生活介護
介護予防短期入所療養介護
介護予防特定施設入居者生活介護
介護予防福祉用具貸与
特定介護予防福祉用具販売
介護保険法に基づく地域密着型介護予防サービス事業[第8条の2第14項]
該当するサービス
介護予防認知症対応型通所介護
介護予防小規模多機能型居宅介護
介護予防認知症対応型共同生活介護
介護保険法に基づく介護予防支援事業[第8条の2第18項]
該当するサービス
介護予防支援

介護サービスの種類

居宅介護サービス
名 称
概 要
居宅介護支援
利用者が居宅サービスや地域密着型サービスを適切に利用できるように、利用者の心身の状況や本人・家族等の希望などを踏まえ、介護サービス計画を作成し、サービス提供事業者等々の連絡調整などを行う。
訪問介護
介護福祉士などの資格を持つ訪問介護員(ホームヘルパー)が家庭を訪問し、介護(入浴・排泄の介助など)や家事(調理・掃除・買い物など)の援助を行う。
訪問入浴介護
利用者の自宅に移動可能な浴槽を運び入れ、入浴の援助を行う。
訪問看護
主治医の指示により、看護師や保健師が家庭を訪問し、健康チェックや看護・療養支援・助言を行う。
訪問リハビリテーション
主治医の指示により、理学療法士や作業療法士が家庭を訪問し、機能訓練などを行う。
居宅療養管理指導
病院・診療所・薬局の医師、薬剤師等が家庭を訪問し、療養上の管理と指導を行う。
通所介護
施設に出かけていき、入浴、食事、排せつ等の介護や生活等に関する相談など、必要な日常生活上の世話と機能訓練などを受ける。
通所リハビリテーション
主治医の指示により、理学療法士や作業療法士がいる施設へ出かけて行き、施設で機能訓練などを行う。
短期入所生活介護
特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、 入浴、食事、排せつ等の介護その他、必要な日常生活上の世話と機能訓練などを受ける。
短期入所療養介護
介護老人保健施設などの施設に短期間入所し、 看護、医学的管理下で介護その他の必要な医療、必要な日常生活上の世話を受ける。
特定施設入居者生活介護
事業者として指定を受けた有料老人ホーム等に入居し、要介護認定を受けている方が、特定施設サービス計画に基づいて 入浴、食事、排せつ等の介護や、生活等に関する相談や助言その他、必要な日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話などを受ける。
福祉用具貸与
利用者の日常生活上の便宜を図る用具や機能訓練のための用具で、日常生活の自立を助ける用具(厚生労働大臣が定めるもの)の貸与を行う。 *制度改正により、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、 移動用リフト(つり具の部分を 除く)について、要介護1のかたについては、身体の状況に照らして、一定の条件に当てはまる場合を除き、介護保険での保険給付が行われません。
特定福祉用具販売
福祉用具のうち、入浴や排せつのための道具など、貸与になじまないもので、厚生労働大臣が定める用具の販売を行う。
 

施設サービス

介護保険施設に入所されている方が利用するサービスです。
指定介護老人福祉施設
介護老人保健施設
指定療養型医療施設
対象者
自宅での生活が困難で常時介護の必要な高齢者の方
病状安定期にあり、リハビリテーション・看護・介護の必要な高齢者の方
長期療養患者で医学的な管理が必要な高齢者の方
サービス
入浴、排せつ、食事等の介護その他日常生活上の世話
機能訓練 等
看護・医療管理下での介護
機能訓練などの必要な医療
日常生活上の世話
療養上の管理
看護・医療管理下での介護
機能訓練などの必要な医療
居室の広さ
<多床室・従来型個室>
1人あたり10.65㎡以上
<ユニット型個室>
1人あたり13.20㎡以上
<準ユニット型個室>
1人あたり10.65㎡以上
(定員2名の場合21.30㎡以上)
<多床室・従来型個室>
1人あたり8.0㎡以上
<ユニット型個室>
1人あたり13.20㎡以上
<準ユニット型個室>
1人あたり10.65㎡以上
(定員2名の場合21.30㎡以上)
<多床室・従来型個室>
1人あたり6.4㎡以上
<ユニット型個室>
1人あたり13.20㎡以上
<準ユニット型個室>
1人あたり10.65㎡以上
(定員2名の場合21.30㎡以上)
人員基準
(入所者100人あたり)
医師(非常勤可)
1人
看護職員
3人
介護職員
31人
介護支援専門員
1人
その他(生活指導員等)
医師(常勤)
1人
看護職員
9人
介護職員
25人
理学療法士または作業療法士
1人
介護支援専門員
1人
その他(支援相談員等)
医師
3人
看護職員
17人
介護職員
17人
理学療法士または作業療法士
1人
介護支援専門員
1人
その他(薬剤師・栄養士等)

介護予防サービス

名 称
概 要
介護予防支援
利用者が介護予防サービスや地域密着型介護予防サービスその他の介護予防サービスを適切に利用できるように、地域包括支援センターの保健師等、介護予防に関する知識を持つ者が、利用者の心身の状況や本人・家族等の希望などを踏まえ、介護サービス計画を作成し、サービス提供事業者等々の連絡調整などを行う。
介護予防訪問介護
介護福祉士などの資格を持つ訪問介護員(ホームヘルパー)が家庭を訪問し、介護(入浴・排泄の介助など)や家事(調理・掃除・買い物など)などの支援を行う。
介護予防訪問入浴介護
利用者の自宅に移動可能な浴槽を運び入れ、入浴の支援を行う。
介護予防訪問看護
主治医の指示により、看護師や保健師が家庭を訪問し、健康チェックや看護・療養支援・助言を行う。
介護予防訪問リハビリテーション
主治医の指示により、理学療法士や作業療法士が家庭を訪問し、機能訓練などを行う。
介護予防居宅療養管理指導
病院・診療所・薬局の医師、薬剤師等が家庭を訪問し、療養上の管理と指導を行う。
介護予防通所介護
施設に出かけていき、入浴、食事、排せつ等の介護や生活等に関する相談など、必要な日常生活上の支援と機能訓練などを受ける。
介護予防通所リハビリテーション
主治医の指示により、理学療法士や作業療法士がいる施設へ出かけて行き、施設で機能訓練などを行う。
介護予防短期入所生活介護
特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、 入浴、食事、排せつ等の介護や、その他必要な日常生活上の支援と機能訓練などを受ける。
介護予防短期入所療養介護
介護老人保健施設などの施設に短期間入所し、 看護、医学的管理下で看護その他の医療、必要な日常生活上の支援を受ける。
介護予防特定施設入居者生活介護
事業者として指定を受けた有料老人ホーム等に入居し、要介護認定を受けている方が、ケアプランに基づいて 入浴、食事、排せつ等の介護や、生活等に関する相談や助言その他、必要な日常生活上の支援、機能訓練、療養上の世話などを受ける。
介護予防福祉用具貸与
利用者の日常生活上の便宜を図る用具や機能訓練のための用具で日常生活の自立を助ける用具(厚生労働大臣が定めるもの)の貸与を行う。
*制度改正により、車いす、特殊寝台、床ずれ防止用具、体位変換器、認知症老人徘徊感知機器、 移動用リフト(つり具の部分を 除く)について、身体の状況に照らして、一定の条件に当てはまる場合を除き、介護保険での保険給付が行われません。
特定介護予防福祉用具販売
福祉用具のうち、入浴や排せつのための道具など、貸与になじまないもので、厚生労働大臣が定める用具の販売を行う。

地域密着型サービス

名 称
概 要
夜間対応型訪問介護
介護福祉士などの資格を持つ訪問介護員(ホームヘルパー)が、夜間に家庭を訪問し、排泄の介護や日常生活上の緊急時の対応その他夜間に必要となる生活上の援助を行う。
認知症対応型通所介護
認知症で要介護1以上の認定を受けている方が、施設に出かけていき、入浴、食事、排せつ等の介護や生活等に関する相談など日常生活上の世話と機能訓練などを受ける。
小規模多機能型居宅介護
居宅または機能訓練と日常生活上の世話を行う拠点に短期に宿泊または通い、入浴、食事、排せつ等の介護や、生活等に関する相談や助言その他、必要な日常生活上の世話、機能訓練などを受ける。
認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
軽度の認知症で要介護1以上の認定を受けている方が、共同生活を営む住居で入浴、食事、排せつ等の介護その他、必要な日常生活上の世話と機能訓練などを受ける。
地域密着型特定施設入居者生活介護
事業者として指定を受けた有料老人ホーム等で、入居定員が30人未満の施設に入居し、要介護認定を受けている方が、ケアプランに基づいて 入浴、食事、排せつ等の介護や、生活等に関する相談や助言その他、必要な日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話などを受ける。
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
入居定員が30人未満の地域密着型介護老人福祉施設に入所し、要介護認定を受けている方が、地域密着型施設サービス計画に基づいて 入浴、食事、排せつ等の介護その他、必要な日常生活上の世話や、機能訓練などを受ける。

地域密着型サービス

名 称
概 要
介護予防認知症対応型通所介護
認知症で要支援1または2の認定を受けている方が、施設に出かけていき、入浴、食事、排せつ等の介護や生活等に関する相談など、必要な日常生活上の支援と機能訓練などを受ける。
介護予防小規模多機能型居宅介護
要支援1または2の認定を受けている方が居宅または機能訓練と日常生活上の世話を行う拠点に通いまたは短期間宿泊し、入浴、食事、排せつ等の介護や、生活等に関する相談や助言その他の必要な日常生活上の支援、機能訓練などを受ける。
介護予防認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
認知症で要支援2に該当する方が、共同生活を営む住居で入浴、食事、排せつ等の介護その他日常生活上の支援と機能訓練などを受ける。
費用