NPO法人を営もうとする者は、その事業の内容や事業を始めるにあたっての行政上の
手続、許可等が必要です。

会社設立時にNPO法人を考えている場合は、その事を踏まえて会社設立を
しなければなりません。

NPO法人設立Q&A

NPO法人制度について簡単に教えて下さい。
社会の様々な分野において、ボランティア活動をはじめとした民間の非営利団体による社会貢献活動が活発化し、その重要性が認識されています。
これらの団体の中には、法人格を持たない任意団体として活動しているところも多数あります。そのため、銀行で口座を開設したり、事務所を借りたり、不動産の登記をしたり、電話を設置するなどの法律行為を行う場合は、団体の名で行うことができないなどの不都合が生じることがあります。
特定非営利活動促進法は、これらの団体が簡易な手続きで法人格を取得する道を開くための法人格付与制度です
NPO法人格を取得した場合のメリットはどのようなものがありますか。
NPO法は「法人格付与制度」です。
法人格を取得することによる一番の法的なメリットは、団体名義で契約を締結することができる、土地の登記をできるなど、団体がいわゆる「権利能力の主体」となり、団体の代表者個人としての名義を使うことなく、団体自身の名義において権利義務の関係を処理できる点にあります。
NPO法においては、法人運営の自主性を尊重し、情報公開を通じた市民の選択・監視を前提に、所轄庁の関与が極力抑制された制度となっている点も大きな特徴です。
NPOとNGOとの違いは何ですか。
NPOは、継続的、自発的に社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体の総称です。「NPO法人」という場合には、特定非営利活動促進法に基づき法人格が付与された特定非営利活動法人を指すと解されますが、単に「NPO」という場合、法人格の有無は関係ありません。
他方、NGOは、国連の場で使われはじめた言葉であり、会議への参加などを通じて国連諸機関と協力関係にある政府以外の組織のことを政府代表と区別して呼称されたものであり、営利を目的としない民間団体の中でも、開発、人権、環境など、地球規模の問題に取り組む団体であり、特にNPO法人との包含関係はありません。
勿論、特定非営利活動促進法の要件さえ満たせば、いわゆるNGOであっても法人格が付与されます。また、どの法人制度を活用するにかついては、団体の自主性に委ねられています。
その他の事業」の具体的な内容は何ですか。
「その他の事業」とは、特定非営利活動以外の事業のことです。したがって、従来の収益事業はこれに含まれることになります。このほか、従前のNPO法に明示的に規定されていなかった狭義の「その他の事業」も含まれます。
狭義の「その他の事業」とは、例えば、特定非営利活動以外の公益事業や、会員間の相互扶助のための福利厚生、共済等の事業が挙げられるでしょう。
今後、「収益事業」という名称を使用することはできないのですか。
今回の改正により、特定非営利活動以外の事業が、従来の収益事業のほか、会員間の相互扶助のための福利厚生、共済等の事業など、従前のNPO法に明示的に規定されていなかった事業も含め、「その他の事業」と改めて整理されました。
したがって、施行日以後に申請し、認証を得ようとする団体で特定非営利活動以外の事業も行う場合は、大きくは「特定非営利活動に係る事業」と「その他の事業」とに区分することが必要です。
なお「その他の事業」の細目として「収益事業」という名称を用いるのは何ら差し支えありません。むしろ、会計区分が明確になり、NPO法人が果たすべき情報公開責任がより一層発揮されることになります。
NPO法人の情報公開については、どのような制度となっていますか。
NPO法では、NPO法人は、自らに関する情報をできるだけ公開することによって市民の信頼を得て、市民によって育てられていくべきという考えがとられており、ほかの法人制度には例をみないような情報公開制度が整備されています。
認証申請時における所轄庁での公告・縦覧制度(第10条)
利害関係人に対するNPO法人事務所における事業報告書等の閲覧制度(第28条)
一般人に対する所轄庁での事業報告書等の閲覧制度(第29条)
の3つが規定されています。
また、内閣府所管のNPO法人に関しては、法人の事務所のある都道府県においても事業報告書等を公開できることが規定されています(第44条)。
NPO法人に対する所轄庁の監督はどのような場合に行うのですか。
NPO法においては、NPO法人に対する監督においても行政の関与を極力抑制し、情報公開を通じて広く市民の監督下におき、市民による緩やかな監視、あるいはこれに基づくNPO法人の自浄作用による是正を期待しています。
しかし、必ずしもこのような措置だけでは解決できない事態も予想されることから、最後の是正手段として、必要最小限度の所轄庁による以下の3つの監督規定が設けられています。
法令等に違反する疑いがあると認められる相当な理由があるときに行う報告徴収及び立入検査(第41条)
法人が法第12条第1項に規定する認証基準をみたさなくなったときや法令等に違反したとき、又は法人運営が著しく適正を欠くと認めるときに行う改善命令(第42条)
改善命令に違反した場合であって、かつ、他の方法によって監督の目的を達することができない場合や、3年以上にわたって事業報告書等を提出しない場合、また、法令違反の場合であって改善命令をかけていては事態の収拾が間に合わないときに行う認証の取消し(第43条)
ただし、できるだけ所轄庁の介入を防ぐという法の基本的精神にかんがみ、従前の他の法人格付与法と比較しても、所轄庁の公権的な手段の行使に関しては、かなり抑制的な工夫が凝らされています。