酒類販売を営もうとする者は、その事業の内容や事業を始めるにあたっての行政上の手続、許可等が必要です

会社設立時に酒類販売を考えている場合は、その事を踏まえて会社設立をしなければなりません。

酒類販売は本当に自由なのか

酒税法改正(2003年)により酒類販売が自由化!

自由化となり誰でも何人も酒類販売が出来るかといえば、そうではありません。

申請者となる資格、申請手続きは引き続き必要となります。

また、規制もやはりあります。例えば、インターネットが一般化した事もあって、現在では、インターネットを使った通信販売が拡大してきました。

お酒も通信販売免許を取れば通販をすることは出来ます。
しかし、どのお酒でも良いか?と言うと違うのでうす。

通販で許されている酒類とは輸入酒や地ビールなどに限られます。
よくお店で見るような有名ビールなどは通販することが原則禁止されています。

酒類販売は確かに自由化しましたが、まだまだ規制はありますので、酒類販売申請の段階で「そんな規制は知らなかった」とならないようにしてください。

酒類販売免許の体系

酒類販売免許は以下の様な体系になっています。

酒類小売業免許の体系
免許区分 現行の取扱 参入時規制 参入後規制
販売場 取扱酒類
一般 一般酒類小売業免許 居住地域 全酒類 人口基準 通信販売を除く
大型 大型店舗酒類小売業免許 広範囲 販売場面積 (1万・以上) 免許付与後3年間取扱酒類を限定、通信販売を除く
特殊 通信販売 通信販売酒類小売業免許 全国 地酒等に限定 地域的特色のある地酒等に限定 取扱酒類を限定、店頭小売を除く
みりん販売 みりん小売業免許 閉鎖空間 みりんに限定 閉鎖空間における恒常的な消費者需要が存在すること 取扱酒類、出店地域を限定、通 信販売を除く
観光地 観光地等酒類小売業免許
船舶内 船舶内等酒類小売業免許
駅構内 駅構内等酒類小売業免許
競技場 競技場等酒類小売業免許
船用品 船用品取扱業者酒類小売業免許
その他 その他特殊酒類小売業免許 必要最低限
期限付 期限付酒類小売業免許 期限、取扱酒類、出店地域を限定、通 信販売を除く

申請に必要な書類

~一般酒類小売業免許の手続~
以下の書類が必要になります。
かなりボリュームがあるので、ギブアップという方は、我々専門家にご相談下さい。

書類 備考
酒類販売業免許申請書 その1 「販売場の所在地」
その2 「販売場の周辺の見取図」
免許申請書チェック表 添付書類をチェックします
一般酒類小売業免許要件申告書 申請者、法定代理人、役員、支配人について申告
会社の登記簿謄本・定款 法人の場合
戸籍謄本または抄本 個人の場合
免許申請等一覧表 全ての申請に係る所要資金及び所有資金等の概要について記載します
申請者の履歴書 法人の場合は役員全員
販売設備状況書 店舗の広さ、車両、什器備品など
付属書類(その1) 販売場全景、販売場内の状況等を撮影した写 真を貼付します
販売設備等の状況(写真)
付属書類(その2) 建物等の配置図は、店舗及びこれに付随する倉庫で、酒類販売場と一体的に機能している場所を明示します。また、酒類陳列場所における表示の方法を明示します。
建物等の配置図
付属書類(その3) 賃貸借の場合、賃貸借契約書の写し、未建築の場合は請負契約書の写 しを提出します
販売設備状況書付属書類
土地建物の登記簿謄本 土地建物が借用の場合、賃貸借契約書の写しも提出
事業もくろみ書 酒類の予定仕入先、予定販売先、収支見積書、販売見込数量 の算出根拠を記載
最近3事業年度(年間)の貸借対照表及び損益計算書 個人の場合、所得税の申告書の写しを添付しても可
財産目録 管轄税務署に過去3年分の所得税及び法人税の確定申告書を提出していれば添付を省略できます
所要資金並びに所有資金の明細書及びその調達方法 自己資金の場合、資金繰表または資金捻出の根拠説明書。融資の場合、銀行の証明書など
地方税の納税証明書 申請者につき未納の税額がない旨及び滞納処分を受けたことがない旨の証明

これらの書類を揃えて、申請します。

良くあるQ&A

Q インターネットオークションで酒類を販売したいと思いますが、免許が必要ですか。
A 酒類の販売業をしようとする者は、販売場の所在地の所轄税務署長から酒類販売業免許を受ける必要がありますが(酒税法第9条)、酒類の販売業とは、酒類を継続的に販売することをいい、営利を目的とするかどうか又は特定若しくは不特定の者に販売するかどうかを問わないこととなっています。
インターネットオークションのような形態であっても、継続して酒類を出品し、販売を行う場合などには酒類の販売業に該当し、酒類販売業免許が必要となります。
ただし、例えば、飲用目的で購入した、他者から受贈されたなどの酒類のうち、家庭で不要となったものをインターネットオークションで販売するような場合は、通常は継続的な販売には該当しませんので、免許は必要ありません。
これは、ガレージショップや学校のバザーなどに酒類を出品する場合も基本的には同じです。
なお、無免許で酒類の販売を行うことは酒税法違反として処罰の対象となります
Q ビール券を販売するのに酒類販売業免許は必要ですか。
A ビール券は物品の給付請求権を表象する有価証券であって、酒類そのものではありませんので、ビール券の販売は酒類の販売とはならないこととなります。
したがって、ビール券を販売するには酒類販売業免許は必要ありません。
Q 一般酒類小売業免許を取得するためには、酒類の製造業若しくは販売業の従事経験、又は調味食品等販売業の経営経験がなくてはならないのですか。
A 一般酒類小売業免許を受けるためには、「人的要件」、「場所的要件」、「経営基礎要件」、「需給調整要件」を満たすことが必要です。このうち経営基礎要件とは、「申請者において、事業経営のために必要な資金の欠乏、経済的な信用の薄弱、販売設備の不十分、経営能力の貧困等、経営の物的、人的、資金的要素に相当な欠陥が認められ、酒類製造者の販売代金の回収に困難を来すおそれがある場合」に該当しないことをいいます。人的要素についての判断基準の1つとして、「免許の申請者が経験その他から判断し、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有すると認められる者又はこれらの者が主体となって組織する法人である」と認められるか否かを審査します。申請者(申請者が法人の場合はその役員)及び申請販売場の支配人がおおむね次に掲げる経歴を有する者で、酒類に関する知識及び記帳能力等、酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有し、独立して営業ができるものと認められる場合は、原則として、この判断基準を満たすものとして取り扱うこととしています。

○「免許を受けている酒類の製造業若しくは販売業(薬用酒だけの販売業を除く。)の業務に引き続き3年以上直接従事した者、調味食品等の販売業を3年以上継続して経営している者又はこれらの業務に従事した期間が相互に通算して3年以上である者」

このように、酒類販売業等の従事経験や調味食品等の経営経験は、適正に酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力を有するかどうかの一つの目安となっています。なお、これらの経営経験等がない場合には、その他の業での経営経験に加え「酒類販売管理研修」の受講の有無等から、①酒類の特性に応じた商品管理上の知識及び経験、②酒税法上の記帳義務を含む各種義務を適正に履行する知識及び能力等、酒類の小売業を経営するに十分な知識及び能力が備わっているかどうかを実質的に審査することになります。

Q 通信販売酒類小売業免許とは、どのような免許ですか。
A 通信販売酒類小売業免許とは、2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象として、商品の内容、販売価格その他の条件をインターネット、カタログを送付する等により提示し、郵便、電話その他の通信手段により売買契約の申込みを受けて当該提示した条件に従って酒類を小売する場合に限定して、付与することとした酒類小売業免許をいいます。
なお、販売できる酒類は、次のものに限ります。
(1)品目ごとの課税移出数量が、すべて3,000キロリットル未満である製造者が製造、販売する酒類
(2)輸入酒類
以下は、通信販売酒類小売業免許のポイントです。
Q 酒類の卸売業を開始したいのですが、どのような手続きが必要になりますか。
A 酒類の販売業をしようとする場合には、酒類の販売先に応じ、酒類販売業免許を有している酒類卸売店や酒類小売店に酒類を販売する場合には「酒類卸売業免許」を、料飲店営業者や消費者に販売する場合には「酒類小売業免許」を、販売場ごとに、販売場の所在地の所轄税務署長から受ける必要があります。
Q 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。
A しょうちゅう等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。

また、この規定は、消費者が自ら飲むための酒類についての規定であることから、この酒類を販売してはならないこととされています。

Q 地ビールの免許申請手続きについて教えてください。
A 酒類の製造をしようとする者は、製造しようとする酒類の種類別(品目のある種類の酒類については、品目別)に、製造場ごとに、その製造場の所在地の所轄税務署長の免許を受ける必要がありますが、その免許を受けるに当たっては免許後1年間の製造見込数量が酒類の種類又は品目ごとに定められた一定の数量(最低製造数量)以上であることが要件とされています(酒税法第7条第1項、第2項)。

ビールの製造免許にかかる最低製造数量については、ビールの製造・販売が、従来から大量生産を前提に多額の設備投資を要する装置産業として行われてきたことを踏まえ、2,000klと高い水準に定められていましたが、平成5年9月に、緊急経済対策の一環として「ビールの製造免許にかかる最低製造数量基準を引き下げる」ことが決定されたことから、平成6年4月の酒税法改正により2,000klから60klに引き下げられ、小口醸造のビール(いわゆる「地ビール」)の製造が可能となりました。
ビールの製造免許の取得に当たっては、申請製造場における1年間の製造見込数量が最低製造数量である60kl以上であることのほか、次の要件をすべて満たすことが必要です。
(1)申請者(法人の場合は、法人の役員及び製造場の支配人を含む。)が、酒税法第10条第1号から第8号の規定に該当しないこと。
(2)申請製造場が取締上不適当な場所でないこと(酒税法第10条第9号)。
(3)申請者の経営の基礎が薄弱でないこと(酒税法第10条第10号)。
(4)申請者がビールの製造について必要な技術的能力、十分な設備を備えていること(酒税法第10条第12号)。

Q インターネットのホームページ上で酒類の販売の注文を受け、現物は直接顧客へ配達又は郵送等の方法により引き渡すという営業形態を考えていますが、販売業免許は必要ですか。
A 酒類の販売業又は販売の代理業若しくは媒介業をしようとする者は、原則として、販売場の所在地を所轄する税務署長の免許を受ける必要があります。
インターネットを利用した酒類の販売に対する免許の取扱いについては、酒類の受発注の態様等により個々に判断することとなりますが、一般的には、インターネット上のホームページを開設して継続的に酒類の販売を行おうとする場合には、ホームページ開設者が酒類の販売業者に該当することとなりますので、通信販売酒類小売業免許が必要となります。(インターネットを利用した酒類販売であっても、概ね販売場の所在する同一の都道府県内の消費者のみを対象(例 販売場の周辺地域の住民にのみに配達・販売)とする通信販売は、一般酒類小売業免許の対象となります。)また、仮想商店街の主催者やインターネットプロバイダ-等(以下「プロバイダー等」といいます。)の第三者が継続的に酒類販売業者等と消費者間の酒類の受注・発注に介在する場合には、インターネット上における受注の形態、代金決済の方法、販売契約の決定権の有無、返品や事故等の発生時の危険負担の有無等を総合的に勘案し、当該第三者が酒類販売の当事者であると認められる場合には、通信販売酒類小売業免許が必要となります。なお、酒類販売の当事者に該当しない場合であっても、プロバイダー等が継続的に酒類販売業者等と消費者間の酒類の受注・発注に介在する行為は、一般的には酒類販売の媒介(取引の相手方の紹介、意思の伝達又は取引内容の折衝等酒類の売買取引成立のためにする補助行為)業に該当することとなりますので、酒類販売媒介業免許が必要となります。
通信販売酒類小売業免許により販売できる酒類は、一般の酒販店では通常購入することが困難な酒類(例えば、地酒、輸入酒等)に限られています。
Q 酒類販売管理者とは
A 酒類販売管理者とは、選任された販売場において、酒類の適正な販売管理の確保を図るため、酒類の販売業務に関する法令を遵守した業務が行われるよう酒類小売業者に助言をしたり、酒類の販売業務に従事する従業員等に対して指導を行う者をいいます。

酒類小売業者は、酒類の販売場ごとに、酒類の販売業務に従事する者の中から酒類販売管理者を選任しなければなりません。

これらの義務を怠ると、罰金又は過料に処せられ、免許が取り消されることがあります。

また、酒類小売業者は、酒類販売管理者を選任したときは、酒類の適正な販売管理の実効性を確保するため、3ヶ月以内に「酒類販売管理研修」を受講させるよう努めなければなりません。

Q 酒類販売管理者は販売場に常駐しなければならないのですか
A 常駐する必要はありません。

ただし、酒類販売管理者が販売場を長時間(2~3時間程度以上)不在にするときは、酒類の適正な販売管理の実効性を確保する観点から、酒類の販売業務に従事する方の中から酒類販売管理者に代わる方を「責任者」として指名し、配置するようお願いします。

例えば、24時間営業や年中無休の店舗で、営業時間中に酒類販売管理者が長時間不在となる、あるいは休暇を取ることが明らかな場合には、あらかじめ責任者を指名しておく必要があります。
この「責任者」は、酒類販売管理者と同程度の知識までも求めるものではなく、酒類販売管理者が酒類の販売業務に関する助言又は指導した者の中から、適切と思う者を指名すればよいものです。

なお、責任者についても、成年者を指名することが望ましく、特に夜間(23時~翌日5時)においては成年者とするようお願いします。

酒類販売なぐり書き

1.免許の要件
期限付酒類小売業免許は、申請者及び申請販売場等が、次に該当している場合に付与する。

  • イ.申請者が製造者又は販売業者であり、博覧会場、即売会場その他これらに類する場所で、臨時に販売場を設けて酒類の販売を行う。
  • ロ.酒類の販売目的は、特売又は在庫処分等でない。
  • ハ.博覧会場、即売会場その他これらに類する場所の管理者との間の契約等により、販売場の設置場所が特定されている。
  • ニ.博覧会場等に係るものについては、催物等の開催期間又は開催日があらかじめ定められている。
  • ホ.ダム工事現場に係るものについては工事の終期が、臨時列車又は遊覧船に係るものについては運行期間等がめいりょうに定められている。

(注)上記イの(注)2の場所において、現に固定した店舗を設け、清涼飲料又はし好飲料の販売を業として行っている者が申請者の場合で、販売場廃止後の酒類の引渡先(免許申請に係る酒類の種類(品目)について免許を受けている製造者又は販売業者をいう。)及び引渡期日があらかじめ定められており、かつ、当該引渡先が確実に引き取る旨の確約書を提出しているときは、上記イの規定にかかわらず、期限付酒類小売業免許を付与することができる。

※免許の期限
  • イ.期限付酒類小売業免許を付与する場合は、催物等の開催期間、季節的又は臨時に人の集まる期間、運行期間等を考慮し、適切な期限を付す。
  • ロ.催物等の開催期間又は開催日が延長又は延期されたため特に必要であると認められる場合は、免許の期限を延長することができる。
2.輸入酒フェア等の実施を目的とした期限付酒類小売業免許の取扱い
輸入酒フェア等の実施を目的とした期限付酒類小売業免許の申請があった場合において、次に該当しているときは、免許を付与して差し支えない

  • (1)販売業者(みりん小売業免許のみを受けている販売業者を除く。)が輸入酒フェア等を実施するために臨時に販売場を設けて輸入酒類の小売を行うこと。
    (注)

    1. 販売業者には、販売業者が中心となって組織する団体を含むものとして取り扱う。
    2. 販売業者とは、国内のいずれかの場所において販売業免許を有しているものであればよいのであるから留意する。
  • (2)輸入酒フェア等の1回の開催期間が、おおむね2週間以内である。
  • (3)同一の臨時販売場において開催する輸入酒フェア等が、年6回以内である。
3.期限付酒類小売業免許の届出による免許の取扱い
製造者又は販売業者が博覧会場、野球場等の競技場、遊園地その他の臨時に人の集まる特定の場所(届出者又は届出者と密接な関係にある者が催物等の主催者として管理、運営していない場所(施設、建物等を含む。)に限る。)で臨時に販売場を設け酒類の販売を行う場合であり、次の要件に該当し、かつ、販売場を開設する日の10日前までに、酒類の販売を行う旨を当該販売場の所在地の所轄税務署長に届け出たときは、当該届出により免許を付与したものとして取り扱う。

  1. 催物等の入場者の全部又は大多数が有料入場者である。
  2. 催物等の内容は、酒類の販売を主目的とするものでない。
  3. 催物等の開催期間又は開催期日があらかじめ定められており、かつ、それが客観的にめいりょうである。
4.期限付酒類卸売業免許の取扱い
製造者又は販売業者(酒類の卸売販売をすることができる販売場を有する者に限る。)が、新製品の広告宣伝のために臨時に展示等即売会場を設けて酒類の販売を行おうとする場合で、1回の展示等即売会の開催期間が5日以内であり、かつ、新製品の発売後おおむね1か月までの間に開催するときには、適切に期限並びに販売する酒類の範囲及びその販売方法について条件を付し、免許を付与しても差し支えない。